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Codes And Keys
Death Cab For Cutie

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青野圭祐─2011.6.21─


前回のSeapony、前々回のThe Posiesに引き続き、期せずしてシアトルのアーティストのレコメンドが続きますが、今回はPosiesと同郷(シアトルの北にある地方都市、ベリングハム)からDeath Cab For Cutieの『Codes & Keys』について。

これまでのレコメンドでも少し書かせていただきましたが、20年前はグランジ一色だったシアトルはそれがおさまって、Foo FightersやSunny Day Real Estateをはさんだ後、だんだんとオリジナリティー溢れるインディー・ロックの生産地になっていきました。そのシアトルにおいて全米を代表する2大シアトル・インディー・ロックバンドがModest MouseとこのDeath Cab For Cutie。そう言えばMichouのレコメンドの際にも名前が挙がっていましたね。キャリアも長く、現在に至るまでに様々な紆余曲折を経た彼らが最新作としてリリースしたのが『Codes & Keys』です。


早速、リードトラックともなっている「You Are A Tourist」を聴いていただきたいです。





このBuilt to Spillやogre you assholeを思わせるギターのリフとヴォーカル・ギターのBen Gibbardの美声とタイトなリズム隊!一見シンプルながら厚みのあるサウンドも素敵ですよね。

このMVは何と役者に台本だけが渡されて一発撮りで撮られ、その撮影風景が動画を通して世界中に配信されるという前代未聞の試みのもとに撮影されたのですが、そのエピソードを聞いただけでも「今ここで彼らの手から生まれている」というのをリアルタイムで体感できます。


以前から、彼らは「お手製」感を出していたのですが、このアルバムの特徴は、その「深くて濃い感じ」だと思います。。今までは乾いた感じの切なさが持ち味の彼らが、アルバムを聴くと、乾いたままに奥行きが一気に増したな、という感触を感じ取れると思います。



これは4枚目のアルバム『Transatlanticism』の1曲め「The New Year」です。







続いて3枚目のアルバム『The Photo Album』から「A Movie Script Ending」。





前者は躍動感があり、後者は抑制されたビートが光りますが、どちらも乾いた寂しさを感じられます。新作はこれに増して実験的な試みが多く見られ、深いけれど暖かみのある作品になっています。

現時点では、MVが制作された曲は先の「You Are A Tourist」のみになりますが、リンクのmyspaceでは新作から一部の曲(「You Are A Tourist」と「Home Is A Fire」、「Some Boys」、「Underneath the Sycamore」が新作に収録されている曲です)を聴くことができます。どの曲も感傷的ながらも色んな要素が取り上げられていて、「深淵さ」をキーワードにした上で色んなことをしてみよう!という感じが伝わります。


最後に同じく旧作からいくつか彼らの曲を紹介させていただきたいと思います。

5枚めのアルバム『Plans』より「Crooked Teeth」。






続いて彼らの中で最もポップな曲「The Sound Of Settling」。





どちらのMVもユーモラスに凝っていて良いですね。

素朴な暖かみがあって、日常によって繊細になってしまう心の隅に染みていくような端麗なメロディが素敵です。以前のMichouに興味をもってくださった方は、彼らに多大な影響を与えたこのDeath Cab For Cutieも是非聴き入っていただけらと思います。


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■RECOMMENDER

  • 青野圭祐(2011.6.21)