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Blood/Candy
The Posies

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青野圭祐─2011.5.31─


少し唐突ですが、Teenage FanclubのNorman Blakeと元Gorky's Zygotic MynciのEuros Childsのユニット、Jonnyの来日ツアーが無事、全公演終わりましたね。広島公演では、後藤さんがサポートアクトを務められ、Norman本人とTeenage Fanclubの名曲「The Concept」のデュエットまで披露され、盛況だったことと思います。


さて、そんなNormanからも新作、そしてそれに伴う来日について絶賛、応援コメントが届いているのが、このThe Posies。

Posiesはグランジが一世を風靡していた時期、90年代のシアトルから出て来て、グランジに間接的に影響を受けながらも、重苦しいサウンドでなく少し鈍くも綺麗なメロディを鳴らすパワーポップバンドです。


彼らの最大の特徴は、中心メンバーのKen StringfellowとJon AuerがBeatles由来のポップセンスを、シアトルならではのオルタナティヴなエッジの立ったギターで鳴らす、そのサウンド。歌詞の面でも、やっぱり他のパワーポップバンドより少し歪んだものになっていて、ポップなメロディに毒っ気が乗っていて痛快です。

そして、彼らの名盤と言えば、93年にリリースされた『Frosting On The Beater』というアルバムなのですが、このアルバムのプロデューサーのDon Flemingが実はTeenage Fanclubの最大の名盤でもある『Bandwagonesque』もプロデュースしているのです。Normanも信頼を置くわけですね。


さて、それでは彼ら自身についての紹介はこれほどにしておき、新作『Blood/Candy』の幕開けの曲でもある「Plastic Paperbacks」のシアトルシーンの代表ラジオ局、KEXPでのスタジオライヴ映像をご覧下さい。(続けてプレイされるのは先の名作『Frosting On The Beater』の3曲めの「Flavor Of The Month」です。よければ、こちらも続けて是非どうぞ)





「Plastic Paperbacks」の大部分を歌っているちょっと爬虫類系の雰囲気をしたニヒルガイがKen、「Flavor Of The Month」でメインボーカルを務めているぽっちゃりなお兄さんがJonです。


前者の曲については少しKenが力みすぎているようにも感じられますが、このシンプルながらも卓越されたポップメロディと力強い演奏(Posiesは、どうしてもギターが表に出て目立ちがちなパワーポップの中でも、リズム隊もパワフルでダイナミズムが感じられることも魅力です)は飽きないですよね。「Flavor Of The Month」も、とがったギターに美声が乗って、それがアンバランスでなく、むしろマッチしているのが素敵です。

この映像の音ではキレの強さも目立ちますが、音源としての新作は、今までの彼らのそれよりも柔らかな音作りでゆったり聴けることも特徴の一つとして見逃せません。また、このアルバムには多数のゲストが参加しているのですが、特に3曲めの「Licenses To Hide」はカナダの大所帯のインディーバンド、Broken Social SceneのシンガーであるLisa Lobsingerとのデュエットでもあり、よりその柔からい音が体感できると思います(リンクのmyspaceやamazonのページで視聴することができます)。


続いて、2曲め「The Glitter Prize」のライヴ映像をどうぞ。




実はこの曲も活動休止中のLetters To CleoというバンドからKey Hanleyという女性ボーカリストを招集しているのですが、そのKeyが目立つパートをKenが頑張って歌っているのも微笑ましいです。



Posiesが最も流行った時期は90年代半ば頃になるのですが、Teenage Fanclubが新作を発表したり、そのフロントマンのJonnyが来日したり、WeezerのNANO-MUGEN Festivalや再現ライヴでの来日が決まったりして、パワーポップ界の大御所が盛況な今、彼らもまた改めて聴き入ってみていただきたいと推薦したいバンドの一つです。


東京と大阪での来日も決定されており、東京ではバンドセット、大阪ではFLAKE RECORDSさんのイベントでアコースティックセットで楽しめる予定です。東京公演は6月1日(水)、大阪公演は6月3日(金)、東京は明日です。

彼らのちょっと濁った美声を体感したいですね。


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■RECOMMENDER

  • 青野圭祐(2011.5.31)