勢いのある新譜が並ぶページを眺めては、「ここは足並みを揃えるべきなのか…?」といった考えがよぎりつつの初リコメンド。 記念すべき1枚目に選んだのは、The Weepiesの 『Be My Thrill』です。 まずは気負いゼロで選んだ愛聴盤。 どうぞ、よろしくお付き合いください。
The Weepiesは、Deb TalanとSteve Tannenが2001年に結成したフォークデュオ。地道なライブ活動からキャリアをスタートさせた二人ですが、そもそも各自でソロ活動していたこともあり、シンガーソングライターとしての資質は充分。 曲や歌詞を書き、アレンジをし、唄をのせるという作業を二人ともができる。 その強みが彼等の音楽性を高め、他にないきらめきを生んでいる。 素敵なグループだと思います。
The Weepiesの魅力は、なんといっても唄心。 ポップな旋律&フォーキーな音にハートウォーミングな唄がのっかる、という。これに尽きる気がする。 最新作である本作でも、この唄心が余すところなく発揮されているんだけれど、1曲目の『Please Speak Well of Me』からセツナ節全開。 「When I'm gone, please speak well of me」なんてメッセージにも、思わずホロリときてしまう。タイトルソングでもある『Be My Thrill』のように、軽やかな曲でもどこかウォーミー。DebとSteveのハーモニーもまた絶妙で、 例えば、Mates of Statesのような男女混声ボーカルが好きな人なら、のっけからグッときてしまうんじゃないかなとも思う。
近年では、ドラマや映画への楽曲提供(有名どころではSex And The Cityのサントラにも参加したりも)も増え、本国アメリカでの知名度も急上昇中な二人ですが、おそらく人気に火がつき始めたのは2006年辺りかな? 私もその頃、ラジオで 『Gotta Have You』を聴いたのが、最初の出会いだったように記憶しています。 ちなみにこの 『Gotta Have You』は、2nd 『Say I Am You』に収録。涙なしには聴けない名曲なので、ぜひMyspaceで試聴してみて頂きたい。ハンカチ片手に!
あと、これは全く個人的な意見なのだけれど。 私がThe Weepiesを好きな理由のひとつに「安心感」というのがある。 目まぐるしく変わる音楽シーンで、彼等のブレのない音楽性・スタンスはとても好感が持てるというか、ホッとする。 私は、そういう所も彼等の魅力じゃないかなと、勝手に思っています。
今回リリースされた最新作 『Be My Thrill』は、ひとり膝を抱えたくなる夜に、心をそっと照らしてくれる。やわらかな灯火のような1枚。 珠玉の名曲揃いでもあり、ぜひお薦めしたいアルバムです。