後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)─2013.1.16─
RA RA RIOTの新しいアルバム『BETA LOVE』が発売になりました。
正当派なバンド編成+チェロとバイオリンという編成だった彼らを見つけたのは、何年も前のことです。『
The Rhumb Line』という1stアルバムに惚れ込んで、当時日本でのリリースがなかった彼らのアルバムを何枚も買って、友人知人に配っていました。今思うと、阿呆だなぁなんて思いますが、こうして、自分のレーベルで彼らの音源の日本盤に関われているのは、正直嬉しいです。
で、3rdアルバムを前にチェロのアリーが脱退してしまいまして、どうなってしまうやらと心配していたのですが、リード曲の「Beta Love」を聴いて吃驚したのですね。うわー、ガッツリとシンセが入ったなー、なんて。
もう、ご飯3杯くらい食べられますね、この曲で。
『
ディスカバリー』という、ボーカルのウェスがヴァンパイア・ウィークエンドのメンバーとやっているユニットのことを思えば、こういう路線も実は不思議ではないですよね。前作から、少しずつシンセがダビングされはじめていましたし。それでも、かなり思い切った印象の変化があります。
かなりぐっと、今っぽくなった。要は、どこか我が道を行っていたところがあると思うんですけど、現代性というか流行とも絡むようなポップさというか、そういうものを織り込んだように聴こえます。
とは言え、アルバムの最後の曲「I Shut Off」のビデオを観れば、相変わらずの温度で音楽を作ってるんだななんて勝手に思いますけれど。僕はこのバンドの持っている温かみが好きです。そして、どこか悲しいところが良い。メロディもサウンドも、どこかに生きることそのものへの悲しみを含んでいるように、思います。ビートルズがそうであるように。
今作、本当に素晴らしいです。本国でも出世作になるかもしれないですね。日本でも、例えば、リキッドルームあたりがパンパンになる規模で観たいです。そのくらいはさすがに共有されたら良いなぁなんて、随分前から応援している僕は思います。
洋楽とかを普段聴かない人にもオススメです。
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