後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)─2012.2.12─
前作までのローファイ&ポップな雰囲気から一転、エンジニアにスティーヴ・アルビニを採用し、音像も一気にクリア(というか、生々ししく)になって本来の楽曲の良さが浮き立ったCloud Nothingsの新作『Attack on Memory』。
もう、前作もアルビニ録音で録り直してはどうかと思うくらいのハマりようです。このひとたちの音楽を俺はこういう音で聞きたかったんだ!なんて全く思ってなかったのですが、そう思ってしまうほどエンジニアの録音方法とバンドの相性が良いと感じます。
正直言って、オープニングトラックはアルビニ起用にちなんで、ニルヴァーナのパロディかと思ってしまいました。カートの物真似のような第一声に「オイ!笑」というツッコミを入れるひとは僕だけでしょうか。2曲目までを評価する声もチラホラ聞きますが、僕は断然3曲目からのほうが彼らの本領という感じがして好きです。
残念ながら、新譜からのMVが公式に発表されていないので紹介できないのですが、コレは買って間違いないです。
仕方がないので、別のアルバムから。
やっぱり、こうして聴くと、クグもった彼らの音源も良いですね。こういった敢えてローファイでリヴァーブを多用した音像は、もちろんメジャー作品に対するカウンターの意味が少なからずあるでしょうし。ただ、アルビニの録音はインディの流儀の本流にずっと鎮座しているものですから、まったく彼らの意志や思想に反することなく、いろいろな面で成功しているのだと思います。
このMVにある楽曲がもう少しザラっとした手触りになって、パキっと、ゴリっとした音像で録音されているのをイメージしてレコード屋に急いで下さい。2012年、最初のヒット。傑作です。
.
1