古田琴美─2016.9.27─
Predawnの約3年振りの2nd Album『Absence』が素晴らしい。
マイペースに製作し、3年ごとにリリースし続けているPredawn。
6年前にリリースされた1st mini Album『手のなかの鳥』は、今聴いても全く色褪せず、改めて尊い才能の持ち主だなぁとため息がでる。
MVにもなっている「Universal Mind」からは、国内から世界へとより広く届けようとしている意志が感じとれる。
「Universal Mind」MV
清水美和子の歌声は本当に心を落ち着かせてくれる。日常に溶け込むかのような普遍性が、熱を持ったサウンドと共に静かに心地良く響く。
彼女のライブを観たことがある人はわかると思うけれど、MCとのギャップがまたすごい。ほんわかとした佇まいで思わずクスッと笑ってしまう話をしたかと思えば、演奏に入るとそれは唯一無二の存在に変化する。そのギャップも彼女の魅力の1つだと思う。
彼女の楽曲にはずっと惚れ続けているけれど、今作も心底素晴らしい。家で何度もリピートしている。
秋から冬になる今の時期、雨音を彼女の楽曲に足して、自宅で珈琲を飲みながら静かに聴いたり、夜眠る前にキャンドルを灯して、じんわりと夢の中へ連れていってもらうのも良い。そういういろんな楽しみ方ができる音楽だと思う。
そしてリリース作品の中では初の日本語詞である、6曲目の「霞草」が私はとても好きだ。
ほとんどの楽曲を英詞で歌う彼女だけれど、日本語詞でも彼女の言葉のセンスが光る、素晴らしい楽曲に仕上がっている。どことなく切ないメロディも良い。彼女の背負っているモノが、静かに心の中にはいっていく心地良さ。これは言葉にするのではなく、ただ感じて欲しい。
今年のベストディスクに入る大傑作。
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