古田琴美─2016.11. 8─
くるりの20周年ベストが発売された。
くるりの音楽に出会ったのは、まだ大阪に住んでいた頃、FM802のGLAYのJIROさんの番組から流れる「青い空」だった。
「青い空」MV
JIROさんの番組は、洋楽から邦楽まで彼のセンスであらゆる音楽を聴けて、当時の私はとても影響を受けた。その番組でJIROさんがくるりの「青い空」をオススメしていて、イントロを聴いた瞬間、私の心に衝撃が走り、次の日シングルをタワレコに買いに行ったことを未だに鮮明に記憶している。
その当時私はまだ学生で、今みたいにSNSもなければ、携帯もなく、ポケベルの時代だった。そして音楽が大好きだった私は、ラジオが唯一の情報源だった。リスナーとしてラジオ番組にリクエストもしていたし、某番組に電話出演していた頃もあった。くるりの音楽ももちろんリクエストしていて、ラジオからラジオネームを呼ばれて、音楽がかかった時の喜びと興奮は今でも忘れられない。
それから何年経っただろうか。
上京して、音楽の仕事をし始めてからはラジオを聴かなくなってしまったけど、ここ何年かは、自分の応援しているアーティストが出演する番組や、友人がパーソナリティを務めている番組、仕事で出演させて頂いた番組は聴ける限り聴いている。そんなラジオから始まったくるりの音楽と私の出会い。
結成20周年て凄いなぁ。同じことを続けるって本当にいろいろあるし、好きだけでは続けられないし、好きだからこそ続けられる部分もある。私も同じ仕事を12年無我夢中でやっていたから、本当に気付いたらそれくらいの年月が経っていた、という感覚。ひとつのことに背を向けずに向き合って、表舞台で表現していくって、本当に凄いこと。尊敬の念でしかない。
このベストアルバムを聴くと、私の青春というか、曲ごとにそれぞれの記憶がブワッと溢れ返って、泣きそうになる。そんな想いになるような人はたくさんいると思うけど、そんな想いを全て受け止めてくれるくるりの音楽は、これからも私に必要な音楽だ。
くるりはこれからも前にずっと進んでいく。
そして、私のまだ続いていく儚い人生のストーリーのBGMとして、これからもずっと鳴り続けていくのだと思う。
.
1