最初はこの曲のドラムサウンドにやられました。
「The City」
ゲートリバーブ強めのスネアドラム。このゲートリバーブは自分にとっては80年代に多く使われていたこともあってその時代の象徴的なサウンドとして惹かれたりします。ノスタルジアも少々感じたりして。
印象に残ってるものでは、例えばこの曲。
The Power Station 「Some Like It Hot」
(ちなみにこのバンドは当時、Duran Duran + Robert Parmer + Chicという、夢のスーパーバンド的に語られてました)。
そしてThe 1975の代表曲とも言えるこの曲。
「Chocolate」
この曲やアルバムの「Settle Down」「Girls」、その小気味いいグルーヴも80年代を思い出します。
例えばこれ。
Curiosity 「Hang On In There Baby」
(この曲のリリースは1992年ですが、前身バンドのCuriosity Killed The Catは87年デビューです)
うーん、懐かしいけどダサい。ダサいけど堪らない。
この感覚、天野アキちゃん(あまちゃん)の名セリフでいうところの、「ダさいくらいなんだよ、我慢しろよ!」です。The 1975の場合、我慢しなきゃいけないほどのダサさではないですが、80年代の音楽に通じるダサさが確実にあります。でも、ちょっとダサいけど楽しい、どこかくすぐったいようなダサさもあるけどカッコいいから何度も聴いてしまう…そんな感覚です(「Menswear」なんて曲もある!)。
おっさんの悪いクセのひとつとして、新しいアーティストをこういった懐古趣味的に聴いてしまうというところがありますが、このThe 1975の音はとてもモダンなものとして鳴ってますし、80年代を知らない人たちにもかなり新鮮に響くんじゃないでしょうか。
「Sex」
Jimmy Eat Worldっぽいエモさも持つポップなこの曲のアレンジにはFriendly Firesにも似た高揚感もあります。
今年のSummer Sonicにも出てたんですが、登場して2曲目に「The City」を鳴らした瞬間は「新しいスターの誕生だ!」と興奮したものでした。とにかく華があった。自分がもし中学生女子だったらキャーキャー言ってポスター部屋に貼ってしまいそうなカッコよさ。不良の薫りもあるし、性やドラッグについて歌った曲もあるし。
ルックスもよいし、ロゴやジャケット、MVを含めて、モノクロを中心としたスタイリッシュさもあります。
所謂ヒットチャートのど真ん中にも切り込んで行けるバンドです。実際に英国のチャートでは1位を獲りました。このままガンガン売れて欲しいバンドです。ロックバンドにはやっぱり売れて欲しい。
このThe 1975の良さのひとつは、そのヒットチャート感(メジャー感、売れ線感)のあり方がギリギリ絶妙なところでもあると思います。インディ好きの心をもくすぐる絶妙さ。聞くところによると、フロントマンのMatthew Healyの両親は俳優だとか。そのセレブリティ的生い立ちもこのバンドの持つ雰囲気に大きな影響を与えてるのかも知れません。一方でこういうメジャー感もまた青さの裏返しなのかもとも思ったり。
試聴はSoundcloudで出来ます。
https://soundcloud.com/the1975/
バイオグラフィはこちら。
最近のヘヴィーローテーションです。気になった人はぜひ。
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