INTERVIEW
2017年ベストアルバム
2017年、今年リリースされたアルバムを中心にアーティストや音楽関係者にベストアルバムを選んでいただきました。
木幡太郎 (avengers in sci-fi)
Pond
Temples
Calvin Harris
Dirty Projectors
Original Soundtrack
今年はよくDJもやらせていただいたのでそういう現場で聴いた、またはかけた際のフィーリングも反映しつつ、まあ結局よく聴いたなぁというアルバムです。
The XX
音数を絞ったミニマルな構成によって自由と広大なスペースを与えられた"Dangerous"のベースラインがポテンシャルそのままにフロアを蹂躙し、強靭なフィジカルを誇るヒップホップやハウスの音響とも互角に渡り合う様はインスタ映えならぬフロア映えが2017年のモダンだ!と宣言しているようでした。名曲誕生です!
The Big Moon
2、30年前にタイムスリップしたようなインディーギターロックだが、ピクシーズ的なひねくれ要素がありつつもなによりストレートに各曲が光りまくっている。「バンドを始める女の子の希望になりたい」んだそうな女性4人組だが、たぶん三井寿も安西先生に「・・バンドが・・・したいです。」とか言う。
Lil Peep / Lil Peep
暗い部屋で1人ギター片手にもごもご歌ってるのがカート・コバーンのイメージだとしたら、散らかったベッドの上でトラップのビートに合わせてギターを弾き語ったみたいなこの人のスタイルはカート・コバーンが2017年を生きる若者だったら…というロマンに溢れていて凄く面白かった。歌い方はもちろん金髪センターパーツ(a.k.a中分け)にクレイジーなセーターのルックスとか本人も意識的だったはず。文章が過去形なのは過去の人になってしまったからなのです。
Colors / Beck
先行して解禁されたDreamsといいリードトラック扱いのUp All Nightといいジャスティン・ビーバーかよって感じでとりあえずBeck史上でも一番ポップなんじゃないでしょうか?ダンス寄りのナンバーはもちろん、ロック寄りのナンバーでも打ち込みのキックがど真ん中を占拠するDJホイホイな今風ミックスですが、端正な素材が必要最低限に配置されたThe XXがナチュラルボーン・インスタジェニックだとしたら、散らかった空間にキックが強引に割って入って来るようなこちらのミックスは補正アプリで作られた"カワイイ"って感じもしなくはないです。
Visions Of A Life / Wolf Alice
"Yuk Foo"はじめ何か嫌な事でもあったのか全体的にぶち切れ度アップして、いいぞいいぞ90年代はそうじゃなくちゃとか言ってたら今は2017年なんだった・・。インディーギターバンドなりにブルーノ・マーズとかDaft Punkみたいなファンキーなことやってみた(と言ったら違うかな?もうちょいいい例えがありそう。)って感じの"Beautifully Unconventional"が結果的に90年前後にオルタナ系のバンドがブラックミュージックを取り入れてミクスチャーのプロトタイプみたいな曲を作ってた感じに聴こえてなんとなく時代と歴史が見えてくるようなこないような・・。
The Weather / Pond
元Tame ImpalaのベーシストがやってるバンドをTame Impalaのケヴィン・パーカーがプロデュース。結局両バンドとも音楽性が似て来ちゃってるあたりとか、別れてもデートぽいことしちゃう男女を見てるみたいでもやっとします。サイケロックが基本ですが年々エレクトロニクスの要素が強まっておる模様。808のキックをベースにする手法やサンプリングなどヒップホップの影響も見え隠れします。
Volcano / Temples
ヒップホップやエレクトロニックなダンスミュージックに押されまくっているロックバンドの宿命なのか、はたまたサイケの元になるレアな化石燃料かなんかが枯渇して電化せざるを得ないのかPondと同じくサイケ+エレクトロニクス路線に移行しています。結果MGMT風と言ってしまえばそれまでだが今作はキラリと光るソングライティングとおいしいアレンジ満載で大化けアルバムだと思うんだけど前作ってどうだったっけ?!
Funk Wav Bounces Vol.1 / Calvin Harris
「甘いっ!」「いてまえメリケン!」とかいうパワーワードでソラミミストを震撼せしめたオープニングナンバー"Slide"はベスト空耳ソング受賞確定かと思われたがグラミーにそんな部門はなかった…。酒に合うテンポ感でDJの際にはよくお世話になりました。
Dirty Projectors / Dirty Projectors
Calvin Harrisにベスト空耳ソングは譲りましたがこちらもオープニングナンバー"Keep Your Name"の「ひろし~、ひろし~」で受賞を狙う意図がはっきりと見てとれました。彼女にフラれた傷心がテーマだそうですが、のっけから結婚式を思わせる鐘の音でアルバムが始まるあたり闇が深いです。一定数いる失恋するとクリエイティヴィティが覚醒するタイプの人だったらしくアイデアの大洪水です。
La La Land (Original Soundtrack) / Various Artist
ジャズとミュージカル。監督自身の趣味全開の世界に前作のヒットで大幅に増えたであろう予算をぶち込み、CGが当たり前のご時世にワンカットの壮大なミュージカルをあくまでマンパワーでやってのける痛快さ。これは血の流れないMAD MAXだ!って思うのは僕だけでしょうか。人間はここまで出来るんだという圧巻のシーンの数々を前に、何も成し遂げられないちっぽけな自分を自覚してか、こんなにも涙が止まらない!
木幡太郎 (avengers in sci-fi)
WEB
avengers in sci-fi Official Site http://www.avengers.jp/
avengers in sci-fi Official Twitter http://twitter.com/avengers_info
SCIENCE ACTION Official Sit ehttp://scienceaction.net/
BIO
ギター、ベース、ドラムスという最小限の3ピース編成でありながら、シンセサイザー / エフェクト類を駆使したコズミックで電撃的なスタイルは“ロックの宇宙船”と称される。
活動開始から15周年を迎える2017年はクリエイティヴ・ベース"SCIENCE ACTION"を設立。両A面シングル"I Was Born To Dance With You / Indigo"を発表するなど精力的に活動。
2018年3月18日には新木場スタジオコーストにて15周年を記念するフェス"SCIENCE MASSIVE ACTION"を開催。バンドと縁のある多くのアーティストが出演する。
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[Alexandros]─ 古田琴美
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KONCOS─ 古田琴美
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くるり─ 古田琴美
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04 Limited Sazabys─ 古田琴美
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Predawn─ 古田琴美
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Gotch─ 古田琴美