INTERVIEW
2017年ベストアルバム
2017年、今年リリースされたアルバムを中心にアーティストや音楽関係者にベストアルバムを選んでいただきました。
角田 陽一郎(バラエティプロデューサー)
今年のベストアルバムを選ぶのは難しい。
なぜなら今年ほど“音楽”を聴いた年もないのだが、今年ほど“アルバム”を聴かなかった年もない。
つまり、音楽をSpotifyで聴くようになったから。
アルバムというくくりで音楽を聴かなくなった。
さらにいえば今年発表された楽曲なのか新曲なのかも気にしないで、ただ聴くようになった。
これは僕の人生で初の転換だ。音楽を2017年作とかアルバムとかいうカテゴリーで分けずに、ただ流す。流れてきたのを聴く。まさにストリーミングという言葉通りに、聴き流すようになったから。
なので、今年は「この10枚のアルバムが2017年の僕のベストです」ではなく、そんな聞き流しの中で、それでもアルバムというカタチで聴いたアルバムの10枚です。実はそんなに無いので、ほとんどこの10枚だけかも知れないくらい。
この変化は、音楽の世界で今後どういう展開を見せるんだろう?(音楽にかぎったことじゃないけど、映像も、小説も、どうなるんだろう?)
でも僕はめちゃくちゃ楽観的に考えています。
だっていい音楽を、いつまでも聴きたいから。
いい音楽は、いつも僕たちをしあわせにしてくれるから。
—という事実は、箱がどう変わっても、未来永劫続くと思うので。
イチ音楽ファンとして、これからもどんな音楽に出会えるかウキウキしながら楽しみにしております。
「kitixxxgaia」大森靖子
1曲目の「ドグマ・マグマ」を繰り返し何回も聴いた。すごい歌詞だと思う。人間の業と女性の存在の意味を彼女はずっと問いかけていくんだろうな。聴いていると自分にも問いかけてくる。
「Paradise Has NO BORDER」東京スカパラダイスオーケストラ
ただただ気持ちいい。そしてただただ元気になる。聴いてると“世界”が感じられるのに、日本人としての自分も時として意識させられる、スカパラは本当の意味でワールドワイドな音楽なんだと思う。
「Q」女王蜂
ユースケ・サンタマリアさんが大好きだという女王蜂。大森靖子さんと一緒にアヴちゃんに「オトナに!」に出演いただいた。二人で即興で奏でた曲が素晴らしかった。僕は天才に惚れてしまう。アヴちゃんはトリックスターだ。デビッド・ボウイだ。
「Pacific Daydream」Weezer
2年連続でWeezerの新作の登場!もうこれもまたすごくいい!!
聴いているといつまでも青春小僧でいられる。
「いい子ってなんですか」安倍みなみ
僕が制作してた『イク天』(BS-TBS)からデビュー。彼女の歌唱力と、大御所感。いつか絶対爆発すると思う。そんな彼女の初々しいデビューアルバム。
「Mr. Hyde」 PHONO TONES
夏のある日たまたまラジオ聴いてたら伊地知潔さんが出てて、嬉々としてPHONO TONESのことしゃべってて、アジカンでは見せない饒舌ぶりについ微笑んでしまったのを憶えている。
このアルバムすごく気持ちいい快作です!!フルアルバム聴きたいです。
「MANIJU」佐野元春
人生において大事なことは、だいたい佐野元春と忌野清志郎に教わったので、今でも佐野さんが僕らに教えてくれる限り、僕は頑張れる気がするのだ。
「BLADERUNNER 2049」(オリジナル・サウンドトラック)」
「ブレードランナー2049」いやーやっと観た!凄かった。
続編まで35年間もあいたことが、作品を圧倒的な続編にしてる。
この続編を見て僕は作品の凄さをようやく理解した。
きっとこの映画が僕らの未来を作ったんだと思う。この音楽を聴いた時の圧迫感。決して気持ち良く無いんだけど、脳内にずーっと残る残滓。
それは人生の35年をかけないと理解できないって体験の凄み!
「流動体について」小沢健二
2016年のライブツアー、2017年のシングル発表と「小沢健二の帰還」は僕にとって、あらゆることを考えさせてくれるきっかけになった。何かに固着するのでは無く、自分自身も流動体になること。
この「流動体について」は、「ある光」という曲を打ち放ってJFKへと旅立った小沢健二が、20年経って羽田空港に戻ってきた歌。本当に彼の帰還を待っていた。
「Everything Now」 Arcade Fire
2017年に一番聴いたアルバム。発売を事前に知って、発売日をワクワクしながら待った(2017年唯一の)アルバム。
もう何もかもすばらしい!
全てが、今なのだ!
今がすべてなのだ!
エブリシング、ナウ!
角田 陽一郎(バラエティプロデューサー)
WEB
https://kakutayoichiro.themedia.jp
http://twitter.com/kakuichi41
BIO
バラエティプロデューサー
元TBSテレビプロデューサー
TOKYO MXにて『オトナに!』放送中。ネット放送『占いTV』配信中。他あらゆるメディアであらゆることをプロデュース中
著書『「好きなことだけやって生きていく」という提案』『最速で身につく世界史』『成功の神はネガティブな狩人に降臨する-バラエティ的企画術』『究極の人間関係分析学カテゴライズド』発売中!
"水道橋博士のメルマ旬報"にて「テレビの果てはこの目の前に」連載中!
“渋谷のラジオ”にて『渋谷で角田陽一郎と』(金曜朝10時)放送中!
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