INTERVIEW
2016年ベストアルバム
2016年、今年リリースされたアルバムを中心にアーティストや音楽関係者にベストアルバムを選んでいただきました。
加倉 伸也(アイウエアデザイナー) が選ぶ2016年 ベストアルバム
Car Seat Headrest
yung
maxwell
A Tribe Called Quest
Alex Izenberg
『6』が付く年は良作が多い年だと以前何かで読んだような気がするのですが、その言葉を裏付けるように2016年は豊作な年でした。
ジャンルもキャリアも問わず、ROCKやHIP HOP、ベテランから新人までお気に入りの作品が多い一年でした。
Bon Iver/22,A Million
多分、今年最も聴いたアルバムの1枚。シャッフルして聴くことを許さないほど1曲1曲のつながりが素晴らしく、
毎回最後まで通して聴いてしまうほど。今作のエレクトロニックに大きく寄った作風は、素晴らしかった今年2月のライブで
その兆候は見られていた為、それほどの違和感は感じられずむしろ自分の今の気分にぴったり合っていました。
Lambchop/FLOTUS
BON IVERの最新作にとても近い肌触りの音。 Yo La Tengoのメンバーも敬愛する、
もともとはオルタナカントリーの人たちなのですが、今作の音は全く違うバンドの様に変化しています。
この変化も、BON IVERに近いものを感じています。
静かに淡々とエレクトロニックをバックに歌われるエフェクト処理された声はとても心地よいです。
最後の曲なんて『The Hustle』というタイトルなのに全くHustleしてなくて、中身はなんと18分に及ぶクラウトロック。
そんなヒネクレ具合にもニヤッとします。
Whitney/Light upon the lake
これも何度も何度も繰り返し聴きました。カントリー、フォーク、JAZZなど土着的な音楽をチェンバーポップに仕上げたとでもいいますか、1つ1つの曲のアレンジが素晴らしいです。トランペットを使ったインスト曲があったりして唯一無二なバンドかと。今後も目が離せないバンドです。
Trashcan sinatras/Wild Pendulum
これは待ちに待った久しぶりの新作!26年間で6作品と決して多作ではない彼らの新作は、クラウドファンディングで製作費を集めて作ったようで、十分な資金が集まったのか今までの中でとても華やかな作品でした。
ギターを弾きながら歌う神経質そうな青年たちは、あの頃のナイーブさを残しながら立派な大人になったんだなぁと感じさせる大人の音楽。
kevin morby/Singing Saw
2014年のベストにあげたKEVIN MORBYの新作も良かった。今作は前作よりは更にパワーアップしてます。
彼はアメリカではBOB DYLANを引き合いにだして語られているようですが、まさにその貫禄。
サイケなアレンジやソウルフルなアレンジの曲などをスパイスとして入れながらも、基本は繊細でナイーブ。
実に『聴かせる』アルバムになっています。最後の曲がもろディランぽいのはご愛嬌かな。
car seat headrest/Teens of Denial
一人宅録の前作はあまりピンとこなかったのですが、バンドになった今作はとにかく曲がどれも良かった!
音の感じはPAVEMENTに近い感じというか、初期PIXIESや初期BECKというか、そのあたりのラフでよれよれのバンドサウンドが好きな方にはおススメ。’90年代のCMJチャート上位にいそうなバンドで大好きです。
yung/A Youthful Dream
デンマークの若干21歳を中心にしたバンドらしいのですが、決して若いだけではない音楽の幅広さを感じました。
グランジを通過したロックなのですが、ヨーロッパのバンドだからか、イギリスのポストパンクやニューウェーブの香りがしてアメリカよりは湿った感じとでも言いますか、この影ある感じが好きです。
maxwell/Black Summers' night
Maxwell、久しぶりに聴きました。確か初めて聴いたのはデビュー作なので96年。もう20年前。
正直その間熱心に聴いてはいなかったのですが、偶然試聴してびっくり。1曲目から兎に角かっこいい。
決して派手さはないのですが曲の端々に僅かに鳴る楽器の音にぐっときました。
アルバム通してすべてが同じ感じで、もうこれはニューソウルを通り越してプログレソウルだなと勝手に思って聞いてました。
A Tribe Called Quest/Here…Thank you 4 Your Service
自分にとっては今年一番の事件。あのトライブが新譜を出すなんて!!
ファイフが亡くなって、もう一生新譜は聴けないと思っていたので聴けるのが嬉しかった。
内容はもう悪いはずがないです。テーマは重いですが。。。
Alex Izenberg/Harlequin
素晴らしかったANDY SHAUFはどなたかが紹介すると思われるので、最後は全く話題にされてないこれを。
乱暴に言えばANDY SHAUFと同じような’70年代の香りのするシンガーソングライターなのですが、こちらは少しソウルぽいというか宗教ぽい感じです。7曲目の『Yo Move On』が兎に角素晴らしく、この1曲でこのアルバムを買ったほどお気に入りの曲です。ぜひ聴いてほしい曲。
ここに挙げた以外にも今年も多くのレコードを買いました。旧譜はもちろんですが、新譜もアナログが出るものは
全てアナログで買いました。嬉しいことにソウルやHIP HOP以外は大体買えた気がします。
他に良かったものを思いつく限り挙げてみると、Teenage Fanclub、Weezer、Dinosaur Jr、Wilco、Posies、Woods、Travis、Ben Watt、David Bowie、Violent Femmes、Womps、julien marchal、Paul Simonなどなど。
ベストライブはBon IverとAlabama Shakes。ホントにこの2つは見れて良かった!!
2017年はどんな新しい音楽との出会いが待っているのか楽しみです。
加倉伸也(アイウエアデザイナー)
BIO
OLIVER PEOPLESデザインチームの一員として数々のデザインを手掛ける一方、さまざまなコラボレーションなども多く手掛ける。またファッションブランド、ミュージシャンのオリジナルなども多く企画・デザインする。
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