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(2014.12.23)

2014年ベストアルバム

2014年、今年リリースされたアルバムを中心にアーティストや音楽関係者にベストアルバムを選んでいただきました。

保坂 壮彦(ALL IS LOVE IS ALL) が選ぶ2014年 ベストアルバム

no1
THE PIER (通常盤)
THE PIER
くるり
no2
【Amazon.co.jp限定】Syro [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] 特典マグネット付 (BRC444)_000
Syro
Aphex Twin
no3
レシキ
レシキ
レキシ
no4
ナマで踊ろう(初回盤)
ナマで踊ろう
坂本慎太郎
no5
You're Dead
You're Dead
Flying Lotus
no6
Smart Citizen
Smart Citizen
吉田ヨウヘイ groupe
no7
Wang
Wang
王舟
no8
NOW
NOW
Teen Runnings
no9
HELLO
HELLO
HAPPY
no10
Divide and Exit
Divide and Exit
Sleaford Mods

 “アルバム”というフォーマットの意義性が如実に表れたと勝手に思っている、2014年。音楽の聴き方や、音楽からのアプローチの多様性が加速度的に変化したと勝手に思っている、2014年。そんな、今年。“ベスト”な“音楽”を選ぶのであれば、かなり困難な作業だったと思うのです。だって、相変わらず音楽は、いや、ここ数年の音楽の広がり方は、時代と共に変化し続けていて。どこで、どういうカタチで良質な音楽にぶち当たって衝撃を受けるかわからなくなってきている昨今ですからして。でも、“ベスト”な“アルバム”というものは、自分自身、あんまりぐっとくるものが多く無かったと感じる、2014年なんです。それは、逆に言うと、表裏一体、そういうものが少なかったからこそ、「これぞ、“ベスト”な“アルバム”だ!」という突出したものが生まれ出たのかなと。こんな今だからこそ、アルバムというフォーマットに、音楽の魅力や魔法や神秘性を吹き込んだ、素晴らしい作品を生み出してくれたアーティストがいた、ということなのだと。ややこしい言い回し、考え方、捉え方ですが。ひしと、そう、感じまして。選んだのがこの10枚です。

 くるりとAphex Twin。この2作品は、アルバムじゃなければ絶対的に成立しない、筆頭株の2枚だと思います。敢えてあーだこーだと言わずして伝わるかと。レキシと坂本慎太郎。この2作品は、人類の歴史を語り継ぐ歌い継ぐために、溢れ出すユーモアと哀愁をたっぷりと詰め込むために、アルバムというフォーマットでなければ伝わらない作品。Flying Lotusに至っては、細切れに紡がれたトラックが絡み合う妙こそ、アルバムでしか表現出来ないもので。吉田ヨウヘイ groupeと王舟とTeen Runnings。実はこの3作品は、キラートラックにぶち当たって、好きになり、アルバムとして聴き通したら染み渡ったという。ちょっと逆説的に辿り着いたものでして。HAPPYは、もっと異質で。一歩一歩と。着実にデビューに向かい、メジャーの地に辿り着いたストーリーの結果のアルバムが絶妙だったということで選びました。最後の、Sleaford Mods。これはもう究極の個人的趣向。オヤジが淡々と愚痴のリリックを吐き出し続けるというアルバム。それが世代的に響いたということなのであります。

 今年は色々あったなぁということを、毎年このベストアルバムの選出で思うわけでありまして。改めて選んだあとに俯瞰してみると。例年以上に支離滅裂な感じになったかもと思います。今までは何となく、選らんだことに自分のその年の生活ともリンクしていて。ある種のストーリー性、時代性みたいなものを意味づけられたんですが、今年はそういうものが皆無に等しいかなと。理由は解らないけれど、選んだ事実がそうなので。もしかしたら、音楽の選択の自由なるものを。今年は久しぶりに掴み撮ったのかも知れないと。思うわけであります。思わせてくれたのでありますです。

 改めて、2014年。素晴らしい音楽を届けてくれたアーティストに感謝の意を捧げます。

保坂 壮彦(ALL IS LOVE IS ALL)

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WEB
Official HP:http://allisloveisall.com

BIO
1971年生まれ。1999年頃から本格的なDJ 活動をスタート。主な経歴として、ロッキングオン主催の「ROCK IN JAPAN FES.TIVAL」、「COUNTDOWNJAPAN」のRESIDENT DJ として、10年以上の出演キャリアあり。他にも、2004年から、オフィシャルサイト「ALL IS LOVE IS ALL」を立ち上げて、ライター、インタビュアー、カメラマンなどを中心として、音楽にまつわる様々な活動を行う。主な活動として、音楽専門誌「MUSICA」創刊号から現在に至るまで、ディスクレビューを執筆中。
DJ としては、類い稀なるビート感を駆使して、選曲した楽曲に込められたメッセージ性やクオリティを損なうこと無く、心や魂にまで響かせるプレイをもとに、フロアに歓喜の渦を巻き起こすテクニックで、様々なリスナーやオーディエンスに人気を博し続けている。

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